表面分析からこんなことがわかります

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はじめに

窒化ガリウム(GaN)はパワーデバイスの材料として盛んに研究・開発が進められています。近年、GaN基板を用いた縦型バイポーラトランジスタの研究の中でMgのイオン注入でp型形成が試みられているが、Mgが活性化しないなどの課題があります。ここでは、Mgのイオン注入によるGaN結晶のダメージと熱処理後のダメージの低減状態をラザフォード後方散乱分析(RBS)のチャネリング法により評価しました。
チャネリング法は、He(ヘリウム)イオンを結晶軸方向に沿って入射させることにより、結晶の乱れを検出することが可能で、結晶状態の定量的評価に威力を発揮する手法です。GaNにMgをイオン注入しアニール前後でのダメージを測定、SIMS分析によるMg分布と比較しました。

RBSによるMg注入GaN結晶のダメージ評価

ラザフォード後方散乱法は、高速(2MeV)のHeやプロトンイオンを試料表面に照射すると試料を構成する原子と衝突、弾性散乱される。この反跳してきたHeイオンのエネルギーと量を計測することで試料を構成する元素の組成や深さ方向の膜構成を知ることが出来る手法です。結晶軸に沿ってHeイオンを入射させると完全結晶の場合、Heは試料原子とほとんど衝突せず散乱がありません。これをチャネリング法といいます。このチャネリング法を組み合わせると原子の結晶格子からのずれを調べることができ、結晶性の評価を行なうことが出来ます。RBS/チャネリング法では、結晶格子からのずれを定量的に評価でき、TEMなどの欠陥観察と併用することで詳細な結晶性評価が可能となります

窒化ガリウム(GaN)はパワーデバイスの材料として盛んに研究・開発が進められています。近年、GaN基板を用いた縦型バイポーラトランジスタの研究の中でMgのイオン注入でp型形成が試みられているが、Mgが活性化しないなどの課題があります。ここでは、Mgのイオン注入によるGaN結晶のダメージと熱処理後のダメージの低減状態をラザフォード後方散乱分析(RBS)のチャネリング法により評価しました。 チャネリング法は、He(ヘリウム)イオンを結晶軸方向に沿って入射させることにより、結晶の乱れを検出することが可能で、結晶状態の定量的評価に威力を発揮する手法です。GaNにMgをイオン注入しアニール前後でのダメージを測定、SIMS分析によるMg分布と比較しました。

試料の概要

Mg注入条件;
・エネルギー;150keV
・ドーズ量;1E16及び5E15at/cm2, アニール条件;
・1230℃,窒素雰囲気,1分

図1にチャネリング法によるRBSスペクトルを示す。注入直後では注入のRp付近を最大としてGaの強度の増加がみられ、結晶ダメージが検出された。アニール試料では強度の減少が見られ、結晶の回復が確認された。Ga強度から欠陥の量を算出した。(表1)

図2、3はSIMSによるMg分布と同時にプロットしたものである。SIMSでは、アニールによりピーク濃度の減少と表面側へのMgの偏析が見られる。

■ 図1
図1
■ 表1
試料 Ga defect
1E16注入 2.40E+17
1E16アニール 1.00E+17
5E15注入 8.90E+16
5E15アニール 1.50E+16
■ 図2
図2
■ 図3
図3
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